餅での年間の窒息死者数は?【2023-2024】
年末年始の楽しみの一つにテレビを見ながら、餅を食べることがあるのではないでしょうか?
お正月に餅を食べる習慣は、平安時代からと行われていて、「歯固めの儀」が由来だと言われています。
「歯固めの儀」とは、お正月に一年の血行や長寿を願い、餅・大根・串柿・かぶ・するめ・昆布などの固いものを食べ、歯を固める儀式のこと。
歯を固めることで、丈夫になるり健康になるという考えからはじまった行事だとされています。
そんな身近なお餅ですが、餅による窒息事故で救急搬送される患者の半数以上は12月と1月に集中しています。
1月に1300人以上が「不慮の窒息」で亡くなっていて、年間では8000人近くにも上ります。
また、65歳以上の患者が約9割に上り、高齢者に偏っているのも特徴です。
高齢者は、歯や口の機能が衰え、噛む力や飲み込む力が弱くなっていることが多いため、食べ物を小さく噛み砕き、スムーズに喉の奥へ送って飲み込むことが難しくなっています。
さらに、喉に食べ物が詰まりかけたとき、人間の体は通常咳き込んで出そうとするのですが、高齢になると咳などで押し返そうとする力も弱くなるため、窒息してしまいやすいのです。
窒息すると、外気から酸素を取り込むことができなくなり、数分で意識を失います。
脳への酸素供給が途絶えると、脳に回復不能な障害が起こる可能性もあるので注意が必要です。
餅を食べるときのポイント
消防庁は餅の窒息事故を防ぐための対策として、
・小さく切って食べやすい大きさにする
・先にお茶や汁物で喉をうるおす
・ゆっくり噛んでから飲み込む
・乳幼児や高齢者が餅を食べる時は、なるべく家族と一緒に食べる
といったポイントを紹介しています。
餅は弾力があり、よく伸びて、一口では食べられない大きさなので、飲み込む前に何度もかまなければなりません。
しっかりとかめない子供や高齢者などが、食べるのに苦労することになります。
餅を含むなんらかの誤嚥(ごえん)等による不慮の窒息で亡くなる人は、2009~2018の10年間横ばい傾向です。
2018年の死亡者数をみると交通事故(2,646人)、自然災害(2,464人)の3倍以上の8,000人にも上ります。
せっかくの楽しい正月休みに悲しいことにならないように、小さな子供やお年寄りは餅を食べるときはこのポイントを注意して、食べましょう。