猫にマタタビは必要なの?目的や効果の謎が判明!
「ネコにマタタビ」とはことわざでも使われるくらい有名で、その歴史は江戸時代にまでさかのぼります。
ネコがマタタビを匂いをかいだときの反応は、江戸時代の浮世絵にも描かれている。
ことわざの意味は、非常に好きなもののたとえ。
マタタビは、マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本でつる性の植物である。
日本では、北海道、本州、四国、九州に、アジアでは千島列島、朝鮮半島に分布し、湿り気のある山地の林縁に自生される。
効果に個体差はあるものの、ネコ科の動物はに忌避効果をもつネペタラクトール、及び揮発性のマタタビラクトンと総称される臭気物質イリドミルメシン、アクチニジン、プレゴンなどに恍惚を感じることで知られており、イエネコがマタタビに強い反応を示すさまから「猫に木天蓼」ということわざが生まれた。
ライオンやトラなどネコ科の大型動物もイエネコ同様マタタビの臭気に特有の反応を示す。
目的や効果の謎が判明!
今回、ネコにマタタビにまつわる謎を岩手大や京都大、名古屋大などの研究チームが実験で突き止めた。
マタタビに蚊を寄せ付けない成分が含まれ、それを体に付けるためとのこと。
チームは、マタタビの葉をすりつぶして含まれている成分を分離し、1種類ずつネコに匂いをかがせてみると、「ネペタラクトール」という成分に反応を示すことがわかった。
ネコの反応は、ネペタラクトールを体に付けるためだとわかった。チームは、ネペタラクトールの性質を調べ、蚊を寄せ付けない効果を持つことも突き止めた。
ネペタラクトールをネコの頭に塗ってみると、蚊が頭に止まる数は、何も塗らない場合と比べて半減したとのこと。
チームは、マタタビ反応は寄生虫フィラリアや病気を運ぶ蚊から身を守る重要な行動だと結論付けた。
蚊よけの目的と、ネコがマタタビで酔ったようになる陶酔状態の関連性はまだわかっていないが、チームは、ネコがマタタビをかいだ時の脳内の状態を血液検査で調べ、いわゆる脳内麻薬の濃度が上がっていることも確かめた。
チームの宮崎雅雄大教授は、
「茂みに潜んで狩りをするネコは蚊に刺されやすく、陶酔の方は鎮痛の意味があるのかもしれない」
と話した。